福岡県小郡市の農家が、水田を活用した太陽光発電の実験を始めた。耕作放棄地での太陽光発電は珍しくないが、稲作と同時に実行することで、農家の収入を増やす狙いがある。米価下落や農政改革で、中小規模の農家に不安が広がる中、稲作と売電によるダブル収入という新たな手法が注目される。(津田大資)
青々とした稲が風に揺れる水田の一角に、屋根型のソーラーパネルが並ぶ。稲に太陽光が十分当たるよう1・5メートル間隔で建てられた高さ3メートルの柱に、パネル48枚が設置されている。
太陽光発電を設置したのは、計2・5ヘクタールの水田を所有する小郡市の農家、美山泰彦氏(75)だ。小規模で発電効率のよい設備にするため、世界最小のインバーター販売を手がける「NEPジャパン」(福岡市博多区)の中村武久会長(65)に相談し、2年がかりでこぎ着けた。
太陽光発電は通常、複数枚のパネルごとに直流から交流に変換する大型のインバーターが必要になる。また、1枚で不具合が生じると全体の発電量に影響し、特定も困難なことから発電効率が下がる。
今回はNEP社製の18センチ四方(厚さ2・5センチ)の小型インバーターをパネル(1・7メートル×0・7メートル)1枚ごとに取り付けた。離れた自宅の事務所のパソコンで発電状況をチェックできるシステムを使用しており、不具合があればすぐに修復できる。
この結果、従来製品に比べ10%程度発電量を増やすことが可能になるという。
また、設備の強度にもこだわった。太陽光発電の先進国であるドイツの架台メーカー「MKG」の日本法人(福岡市博多区)に協力を求め、風速65メートルにも耐える製品を使い、強固な土台づくりの指導も受けた。
引用元:産経WEST
たいへん興味深い試みです。
パネルの下の稲の生育に影響がないのか少し心配です。